転職エージェントは言うまでもなく転職活動における水先案内人である。
転職を成功させるためには、転職エージェントをきちんと選ぶことが何より重要であり、それができないと、本来入社できたはずの会社に入社できないといったチャンスを逃す未来につながってしまう恐れがある。
ここでは、良い転職エージェントの特徴や反対にイケてない転職エージェントの特徴、最後に良い転職エージェントと巡り会うための方法をご紹介する。
本題に入る前に理解しておくべきこと
①転職仲介ビジネスのビジネスモデル
転職仲介ビジネスのビジネスモデルを簡単に言うと、採用した人の年収に応じたマージンを企業が転職エージェント(会社)に支払うというものである。
マージンの割合が業界や転職エージェントによって違ったり、人手不足の企業やポジションだとマージンの割合が上昇するといった変動はあるものの、ビジネスモデルは至ってシンプルである。
お金の流れとして、採用を進めたい企業から転職エージェントにマージンが渡されるので、我々転職希望者は無料で転職エージェントを利用できるのだ(一部有料の場合もあり)。
ということは、転職エージェントからすると、転職しないという意思決定、もしくはどこにも合格せず転職できないという結果になってしまうと、マージンが得られないので実入りはなし、ということになる。
まずはこのビジネスモデルを理解した上で、転職エージェントの気持ちになって読み進めて欲しい。
②99.9%の転職希望者に転職エージェントは必要不可欠
そもそも、転職エージェントは必要か?と言う問いに答えよう。
人によるのだが、多くの場合は転職エージェントと共に転職活動を進めた方が良い。
その理由は、転職エージェントが必要ない人がどのような人かを認識するのが早い。
- 何らかの理由で、知り合いや関係者から入社の誘いが絶えない
以上だ。
上記に当てはまる人は転職エージェントを頼る必要がない。
過去の経験や経歴、実績を知る間柄において、直接、もしくは信頼できる友人や関係者を通じて入社の誘いがあるならば、転職エージェントを通じて求人を紹介してもらう必要はない。
仮に転職エージェントがその誘いのあった会社と取引があったとしても、応募者を会社側がよく知っており向こうからアプローチしてきている状況で、わざわざ転職エージェントにサポートしてもらうメリットがない。
ただし、こういった状況になれる人はごく僅かである。
単に特殊な経歴や経験を持っているだけでも、医師や弁護士といった資格を保持しているだけでも不十分である。
それらを保有した上で、企業から直接誘われるほどの関係性を構築できているという条件が付く。
この条件に当てはまらないならば、転職エージェントを必ず頼った方が良い。
良い転職エージェントは常に期待を越えようとする
良い転職エージェントを一言で言うと、こちらの期待を上回る役割を常に果たしてくれる人である。
企業との面接日程の調整や、HPを見れば書いてあるくらいの情報しか教えてくれないなら、直接企業に応募しているのと何ら変わりない。
あとは何よりも転職希望者本人よりも情熱を感じられるくらい、気合が入っている人でないといけない。
転職エージェントにとっては所詮仕事で、数多くサポートする転職希望者の1人だとしても、こちらからすると1人の人間であり、1度しかないかけがえのない人生を左右する重要な局面なのだ。
メールでのきめ細やかなやりとり、面接後のショートメールや電話でのフォロー、これらは何気ないものだが、案外そこまで気を配れる人はいない。
どんな仕事でも最も重要な『相手の期待に応える』というのを体現しようとしている人こそ、頼れるパートナーとなる。
イケてない転職エージェントは想像以上に存在する
先ほどの良い転職エージェントとは打って変わり、イケてない転職エージェントに騙されないように気をつけたい。
イケてない転職エージェントとは、転職希望者にとってベストな転職先・タイミングでない転職を促すという特徴がある。
良い転職エージェントは転職希望者に勝るとも劣らない情熱を持っており、徹底的に転職希望者に寄り添ってくれる。
ただし、転職仲介ビジネスのビジネスモデルを考えると、転職希望者が転職しないとマージンが発生しないので、最終的には転職を行うことをゴールとするのは、良い転職エージェントもイケてない転職エージェントも変わらない。
重要なのは、その『転職先』と『タイミング』なのだ。
良い転職エージェントは、転職希望者の希望に沿った求人を提案する。
当たり前のことだと思うだろうが、実際には転職エージェント側の思惑というフィルターを介して求人が厳選されるので、そうでないケースもままあると考えて良い。
良い転職エージェントは、転職希望者の希望を叶える求人を厳選し、かつ転職希望者がベストと感じる求人に合格できるようなタイミングを検討時点の能力や実績といった要素から図っている。
しかし、イケてない転職エージェントはそうではない。
転職エージェント自身や所属する転職仲介会社が推している求人をただただ紹介してくることがあるのだ。
理由は様々あると思われる。
- マージンの割合が高い求人から優先的に紹介したいと思っている
- 当該求人の採用者数が多く、合格の可能性も高いと考えている
- 応募者が集まらない求人で、先方企業から応募を強く要請されている
複数の転職エージェントに登録してみると、やたらとあの会社の求人を推してくるな・・とか、応募条件等を鑑みても今の自分で合格できそうにないのに勧めてくる・・といった傾向が見えてくる。
そういった傾向が見えるほど多くの転職エージェントと関係を持ち、求人の傾向を観察しなければならない。
そして、転職を行う目的を常に思い出せるように、時間があるときに転職決意編ロードマップでご自身が記載した、『仕事を通じて手に入れたいもの』を眺めてほしい。
あなたは何のために転職するのか?
それはどのような求人にどのようなタイミングで応募することで実現できそうか?
これらの問いを自分自身に常に投げかけながら、感覚を研ぎ澄ませて転職エージェントとの付き合いを行っていかなければならない。
情熱さえあれば良い転職エージェントに巡り会える
良い転職エージェントに巡り会う方法は単純である。
とにかく数を打つことだ。
できる限り転職サイトに登録し、多くの転職エージェントと関わるとわかるのだが、大手の転職サイトだから良い転職エージェントが担当してくれるわけでは決してない。
それに私は転職という手段で人生を変えようという気概で転職活動に臨んでいるので、その情熱を超えてくる人、背中を預けたいと思える人にはなかなか巡り会えなかった。
それでも星の数ほどある転職サイトに片っ端から登録し、多くの転職エージェントに触れる機会を創ったからこそ、最高のパートナーとも言える転職エージェントの方と巡り合った。
この転職サイトは信頼できる!といった情報は、全てが間違いではないのだが、やはりその転職サイト(転職仲介会社)に所属する転職エージェント全員を対象に評価したものではないので、同じ会社でも転職エージェントの質にばらつきがあるのは当然である。
やはり、転職エージェントという対『人』との付き合いを本気で考えるには、どれだけ多くの転職エージェントと関わったかが鍵になる。
自分の人生を預けるパートナーを探すのだから、そこは面倒くさがらずにやっていくべきだ。
手っ取り早く良い転職エージェントに巡り合おうと、そういった記事ばかり読んでいるならば、いつまで経っても幸せな人生を手に入れる転職は実現できない。
情熱があれば、人は動けるのだ。
それでも動けないならば、自身の情熱を疑って欲しい。
とはいえモチベーションを保つのは難しいので、常にこの記事に立ち戻ることをお勧めする。なぜ転職を志しているのか、思い返せるはずだ。
あなたは何のために転職するのか?
目的を見据え、情熱を持ち、まずは良い転職活動の基礎となる良い転職エージェントと巡り会うべく、できる限り転職サイトに登録しよう。
そして、信頼できる転職エージェントを見つけよう。
あなたが思い描く未来を実現するパートナーとして。