これまで面接準備として、面接全体像を把握(ステップ4)した後、想定問答集作成(ステップ5)と逆質問作成(ステップ6)を行なってきた。
このような準備を無駄にせず100%の力を出し切る上ためにやるべきことが存在する。
本記事ではそれらのやるべきことを、面接直前と面接本番に分けて解説する。
【面接直前】己を鼓舞するルーティーンで臨戦態勢に
面接直前とは、面接が始まる30分前から数分前までの時間を指している。
この時間にやるべきことは、これから己の人生を変える機会に挑むという気持ちを最高潮に高めることである。
転職決意編ステップ2で描いた自分の人生の理想とは一体何だったか、その理想を実現するためにここまで準備してきたこと、全部思い出せ。
敢えて自分にプレッシャーをかけるのだ。
面接は、自分の人生を左右する2度とない機会であり、絶対に失敗は許されない。
なお、面接に限らず、『緊張してしまい本来の力を十分に発揮できなかった』という言い草があるが、それは嘘である。
うまくいかないのは、単に技術が足りないだけだ。
面接における技術とは、これまで準備してきた職務経歴書や想定問答集、逆質問の質を指している。
それらは転職エージェントと校閲を重ねて質の高いものにできるわけで、そういった理由でステップ4では面接は準備が10割と表現していた。
すなわち、これまで質の高い準備をしてきた自負があるなら、負けるはずなどない。
とはいえ、それでも余計なことを考えてしまうのが人間だ。
そんな時にオススメなのは、モチベーションを高める短い動画を見ることである。
私は面接前に、必ず以下2本を見ていた。
私は面接前にこれら2本の動画を見て、気持ちを昂らせていた。
ちなみに自宅からオンラインで面接が受けられる場合は、全身で気持ちを表現しながら見ると良い。
オフィスでの対面の面接の場合は、早めに行って1人になれるトイレの個室などでやれば良い。
例えばガッツポーズがやりやすいが、ポーズは何でも良い。
やってみるとわかるが、ポジティブな動きをしながらネガティブなことを考えるのは難しい。
内からだけでなく、身体の動きという外からのアプローチも含めて、文字通り全身全霊で面接に臨む体制を作り上げるのだ。
面接で遵守すべきルール
面接には遵守すべきルールが存在する。
それらのルールが拠り所にしているのは、面接官はロボットではなく血の通った人間であるということだ。
これまでのステップでは少々テクニック論も織り交ぜてきたのだが、ここは純粋に相手を不快にさせないというコミュニケーションの基本を土台とする。
面接全体を通して面接官を不快にさせないコミュニケーションを行うことは、余計なマイナスポイントを作らないという観点で重要である。
そのために定める以下遵守すべきルールをそれぞれ解説していく。
- 大きな声で話す
- ゆっくり話す
- 面接官の言葉をしっかり聞く
- 簡潔に述べる
①大きな声で話す
これは言わずもがなだが、案外できている人が少ない。
丁寧に返答しようとするがあまり、声が小さくなってしまうことが多い。
話している内容が良くても、声が小さいと非常に印象が悪い。
私は仕事で出会った素晴らしい人の中に、声が小さくて聞き取れない人は1人もいなかった。
言葉を媒介する声の大きさに気を配れないようでは、基本のきが出来ていないと思われてしまうので、意識的に大きな声で話すようにする。
②ゆっくり話す
これも①同様に当たり前と思われるかもしれないが、案外できていない人が多い。
緊張すると人は早口になり、その早口がより緊張を加速し、さらに早口になっていく。
緊張してしまうのは仕方ないのだが、早口という入り口を無くせば、緊張はそれほど加速しない。
緊張は大敵である。
早口で聞き取りにくいだけでなく、話している内容も支離滅裂になっていく。
意識的にゆっくり話すことを心がけてほしい。
③面接官の言葉をしっかり聞く
面接に限らずコミュニケーションの基本は言葉のキャッチボールである。
相手の言葉を聞かなければ、本来こちらは何も言えないはずなのである。
面接を実施する目的は応募者を深く知るためであり、そのためには『面接官が知りたいこと』をしっかりと答える必要がある。
その『面接官が知りたいこと』を何から知るかと言うと、面接官の言葉である。
そこにしかヒントはない。
面接官はどのような言葉を選び、何のためにその質問をしているのか?
面接官が話す言葉全てに神経を集中し、『面接官が知りたいこと』に対する回答をぶつけるのだ。
④簡潔に述べる
誰しも全てを伝えたいと思うあまり話が長くなってしまう傾向がある。
しかし、そこはグッと堪え、簡潔に述べるべきだ。
話が長いと聞き手は集中できない。
それに、話が長すぎて最初に話していたことを忘れてしまうことさえある。
面接における返答は③でも述べた通り、『面接官が知りたいこと』でなければならない。
その条件を満たすためには、返答は必ず長くならないように気をつける。
面接官が本当に知りたいと思っているポイントを押さえ、それ以外は一切述べない。
もし面接官がより詳細を聞きたいと思うポイントがあれば、そちらから聞いてくるはずだ。
話が長い奴は嫌われる、これ鉄則。
面接で意識すべきこと
前項にて面接で遵守すべきルールについて解説した。
ここでは、それらの遵守すべきルールを念頭に置きつつ、常に意識すべきことをそれぞれ解説していく。
- 誠実に対応する
- 語尾濁しに適度に食らいつく
- 面接官の熱意を上回る熱意をぶつける
- 最後に本気のお礼を述べる
①誠実に対応する
面接は自分を大きく見せる場ではない。
余すことなく自分の魅力を伝える場である。
その大原則を忘れ、気持ちが前のめりになった結果、面接官が話そうとしているのを遮ってしまったり、謙遜もそこそこに自分のことを気持ちよく語ってしまう。
面接官はそのような態度を見てどう思うだろうか?
決して、『やる気があって素晴らしい!』とはならない。
たとえ、そのような態度になってしまう原因が応募者の本質でなく緊張であることを頭で理解していたとしても、目の前で起きていることから判断するのが人間である。
利己的になった瞬間に、試合は終わる。
何があっても、誠実でいることを心がけよう。
②語尾濁しに適度に食らいつく
まず語尾濁しと言うのは、面接官が何かを話そうとしているのだが、うやむやにしているような状況のことである。
例えば、自己紹介を行った際の面接官の反応が『3社経験されているのですね・・・』の場合が該当する。
ここで、次の話題に移らない方が良い。
面接官は必ず何かを聞きたいからこそ、そのような反応をしているはずである。
そこで、『①誠実に対応する』ことを意識しつつも、応募者の方から『何か気になることはありましたか?』であったり、『そうなんです、3社で複数職種を経験いたしました』と一言言うだけで、面接官は話を繋ぎやすい。
注意点として、面接官がそのような反応をするのは、次に何を質問するか考えている場合も多いにある。
すなわち、全ての場合で突っ込んでいくのが正解ではなく、話しながら面接官のスタイルを掌握し、話を広げるのにこちらが一言添えると良さそうだ、と判断したら是非食らいついてみてほしい。
③面接官の熱意を上回る熱意をぶつける
面接が一次、二次とステージが進むほど、面接官の職位が上がり、言葉の端々から熱意を感じられる。
もちろん面接官にも色々なタイプがおり、自分がこれまでやってきたことをひけらかすタイプもいれば、静かな語り口調でも確かなプライドを覗かせる人がいるなど様々である。
意識すべきことの最後にして最大のエネルギーを使うべきなのは、面接官の熱意を上回る熱意をぶつけることである。
もちろん『①誠実に対応する』『②語尾濁しに適度に食らいつく』は遵守しながら行う。
面接官は倒すべき対象ではないのだが、面接官の熱意を超えることは面接官に強烈なインパクトを残すことに繋がる。
これらは根性論ではない。
熱意があれば、それが目つきやオーラ、話し方や姿勢に現れる。
つまり、熱意を伝えるのに必要なのは『本気で熱意を持つこと』である。
あなたは本気で人生を変えられると思っているだろうか?
私は思っていた。
今も本気でそう思っている。
その『熱意』を面接官にまっすぐに伝えるのだ。
④本気のお礼を述べる
通常誰かに時間を取ってもらうことに対して感謝を述べると思うのだが、こと面接になるとそれがあたかも当たり前のように感じてしまいお礼を述べる機会を逸してしまう。
したがって、相手は忙しいなか時間を取ってくれたということを改めて思い出し、感謝の言葉を述べるべきである。
タイミングとして、冒頭自己紹介を振られた時と逆質問の最後に「他に何か質問ある?」と言われた時の2回が望ましい。
もちろんそれ以上に伝えるのは構わないが、そればかりになってしまうと嘘くさいので、その2回で本気のお礼を伝える。
私は思っていないことを述べることができる人間を一流のビジネスパーソンなどとは決して思わない。
本気で考え、それを言葉という手段で相手に伝えるのがコミュニケーションの大原則である。
人生を変える機会を与えてくれたのは他でもない目の前の面接官だ。
そんな面接官に感謝もせず、この先何を成し遂げると言うのか。
本気で感謝し、その想いを面接官に伝えよう。
コンサル流!面接で必ず避けるべき言い回し
私が現在働く外資系コンサルティングファームは、クライアントから非常に高いフィーをもらって課題解決を行うのが仕事である。
そんな仕事のなかでもハイライトになるのがクライアントへのプレゼンだが、その際に必ず避けるべきと言われている言い回しがある。
それは、『〜ですが』という表現である。
ここではプレゼンではなく、面接の場合に置き換えて解説する。
例えば面接官から強みを聞かれて、『少々わかりづらい言い方になってしまうのですが・・・』という表現から回答を始めるのはNGである。
なぜかというと、面接官はこう思うからだ。
『わかりやすく言えよ』
他にも何かにつけて『恐縮ですが・・・』という表現を最初に言ってから話し始める人がいるが、上記の例同様に、相手には不信感を与えかねない。
こうした表現を使いたくなってしまうのは、それらの表現の後に続く内容に自信がないからだ。
自身を持つためにはこれまで散々準備が重要だと述べてきた。
その準備ができているなら、言い訳がましい枕詞は不要である。
それらの枕詞を言わなくても良いくらい準備ができていないなら、その面接は負け戦となる。
とにかく準備を万全に、それができているなら勇気を持って、『内容』で勝負せよ。
逆質問選定における条件
ステップ6において、逆質問に多くの時間を割くパターンも想定されるため、できるだけ多く用意しておくに越したことはないと述べた。
その結果、面接本番では用意した逆質問から瞬時に効果的なものだけを厳選して面接官にぶつける必要が出てくる。
ここでは、用意した逆質問を選定する際の条件について解説する。
- 十分に言及できていないことを補完できる
- 面接官の職位や役割にふさわしい
①十分に言及できていないことを補完できる
逆質問に至るまでに、面接官から投げかけれる質問が想定通りということはほとんどない。
もちろんどのような質問が来ても、自分が伝えるべき強みを伝えられるように訓練するのが想定問答集作成の意義であるというのはステップ5で述べた通りである。
とはいえ、想定していた問題と実際に投げかけられた質問があまりにも乖離している場合は、相当な手練れでない限り自分が伝えるべきことを100%返答に盛り込むのは無理である。
そこで、最後に設けられる逆質問において、十分に言及できていないことを伝えるのだ。
例えば、転職回数が3回以上で一般的に転職回数が多いと言われる方が、面接官との会話の中で今後のキャリア展望に触れられていないなら、逆質問で必ず言及すべきである。
※早期退職の懸念を払拭する逆質問例(ステップ5より)
- 私は御社で活躍したいと強く考えています。どのような能力が求められるか、そして入社までに身に付けておいた方が良いスキルはありますか?
- 私は10年以内には、プロフェッショナルとしてプロジェクトをリードする役割を担いたいと考えています。30代後半でそのような活躍をしていらっしゃる方はおられますか?また、その方々に共通点などありましたら教えていただけますでしょうか?
面接官が質問していないことが懸念材料にならないとは限らない。
面接官も百戦錬磨でないことは当然あるからである。
もし面接終了後に採用に関する会議の場で、その面接官の上長から以下の質問があったとしたら、その面接官はどう答えるだろうか?
『候補者は3回の転職経験があるようだが、ウチでは長く働いてくれるのだろうか・・・それについて何か言っていた?』
もし面接官が以下のように答えたら、合格の可能性が低くなってしまう。
『それについては特に言及していなかったですね。候補者がどのように考えているかは分かりません』
最悪なケースだが、全くあり得なくはない。
本来は面接官が聞くべきことを候補者に質問すべきなのだが、時間の都合やこれまでの面接経験の有無によってはそうはならないことがある。
その場合に、『候補者が言及しなかった』と、こちらのせいにされてしまうのは非常にもったいない。
ビジネスにおける人間関係においてよくある問題だと思うが、伝えるべきことは早く正確に伝えておくべきである。
上記の例のような転職回数が多いという、表面的にはネガティブと“思い込んでいる”内容こそ、自分から伝えておいた方が良い。
もちろん上記例以外にも、熱意をアピールすべく自分が取り組んでいることを余すことなく伝えるのも良い。
※自分が取り組んでいることを余すことなく伝える逆質問例(ステップ5より)
- 論理的思考力を高めるべく書籍で学んでいる途上だが、実生活ならびにビジネスで論理的思考力を高めるオススメの訓練法があれば教えていただけないでしょうか?
- 研究開発の高度化によってコンサルタントには業務へのより深い理解や専門的な知見が求められていると思います。どのように広く深く情報をキャッチアップしているのか教えていただけないでしょうか?
- 必要な情報を即時入手し理解を深めることが大変重要だと考えています。この情報検索力はどのように鍛えるのが効果的だと考えていますでしょうか?
何を伝えるにしても、逆質問という機会を有効に活用すべく、それまでの時間で自分が十分に言及できていないと思われる内容を選ぶのだ。
②面接官の職位や役割にふさわしい
面接官は通常、一次、二次とステージが進むにつれて職位が上がっていく。
一次面接で遭遇する職位がマネージャーの面接官に対して、会社の屋台骨を担う役員に質問するのが適切な質問をしてはいけない。
反対に、役員による最終面接で、現場の最小単位のチームをリードするマネージャーに聞くべき質問をするのは間違っている。
また、逆質問に至るまでの面接官との会話で明らかになった面接官の役割にも気を付ける。
一口に職位がマネージャーと言っても、チームの人数も違えば、部門の中で果たしている役割も異なる。
そのマネージャーが普段行なっている仕事を正確に把握し、その仕事における役割に則した質問を行う必要があるのだ。
なお、役員については、会社のHPでその役員の実績として紹介されていたとしても、逆質問までの会話で得られた情報から、それほど関わっていないことがわかる場合がある。
その場合に、そのプロジェクトの詳細を尋ねても面接官への関心を示すことにつながらず、むしろ逆効果にもなり得る。
役員に気持ちよく喋ってもらうことが大事であり、表面的な知識をひけらかすのは全体にNGである。
オンライン面接のマナー
ここでは、昨今当たり前となったオンライン面接のマナーについて述べる。
これまで述べた面接で遵守すべきルールや意識すべきことと異なり、相手を不快にさせないという点で当たり前にやるべきことなので『マナー』と表現している。
このマナーを構成する『ハード面での環境づくり』とオンライン面接ならではの気をつけるべきことについて解説する。
ハード面での環境づくり
オンライン面接を滞りなく実施するためには、ハード面での環境づくりが欠かせない。
具体的には、以下をクリアする必要がある。
- 邪魔の入らない自分1人の空間
- オンライン面接が実施可能なスペックのパソコン
- 安定した回線
- 顔を明るく見せる照明
- クリアに聞こえるスピーカー
- 自分の声を正確に拾うマイク
①邪魔の入らない自分1人の空間
オンライン面接は自分1人しか入れない空間かつ他の誰も視界に入らない環境下で行うべきである。
その理由は、ひとえに集中できないからだ。
人は音や視線に敏感である。
面接は、面接官にのみ意識を集中させることが必要で、他の音や人に意識を少しでも持っていかれたくないのだ。
もし自宅で自分1人になれる場所が確保できないなら、レンタルスペースを借りるべきである。
それをケチって車の中から入るといった暴挙に出るべきではない。
私が前職で遭遇した車の中からオンライン会議に入っている人は、車の前を誰かが通るたび視線がそちらにいっており、明らかに集中できていなかった。
いくら個室であっても、周りの人が気になる環境ではダメなのだ。
②オンライン面接が実施可能なスペックのパソコン
オンライン面接はスマートフォンで行うべきではない。
確かにスマートフォンの性能は良く、スタンドも安価に購入できるので、スマートフォンでオンライン面接を実施しても良さそうである。
しかし、これは面接官から見たら、立派な『仕事』である。
ビジネスの現場において、移動中などの理由でスマートフォンから社内オンライン会議に入ることはあるが、クライアントとの会議にスマートフォンから接続する人はまずいない。
その理由は、パソコンは操作性に優れ、資料の呼び出しや加工がリアルタイムで可能だからである。
確かに面接は会話に重きが置かれていることが多いのだが、それでも資料の共有をしてもらうことは十分にあり得る。
その状況において、スマートフォンの画面でサイズ上細部まで瞬時に確認することは難しい。
また、そのような技術的な障壁だけでなく、『ビジネスの大事な場面でスマートフォンから接続している』という心理的なハードルを設けて得することは何一つない。
就職活動を始めたばかりの学生ではないのだから、当たり前にパソコンから接続するようにするべきだ。
③安定した回線
有線でも無線のWi-Fiでも良いのだが、普段から遅延なくネットワーク接続に何の心配もない安定した回線が必要である。
天気が悪い時に接続不良が起きたり、家族の誰かがネットワークを使用していると速度が落ちる場合があるため、あらゆる状況で問題ないことを事前に確認すべきである。
もし、たまにネットワーク接続不良になるが、オンライン面接1時間のためだけに新しく回線を契約するのは勿体ないと考えるならば、テザリングも試して見ると良い。
キャリアやプランによっては、テザリングがうまくいかない場合もあると思うので、その際は潔く新しい回線を契約する。
④顔を明るく見せる照明
光が相手に与える印象は、自分が思っているよりもはるかに大きい。
表情を明るく見せるために、顔を照らすのに適した照明を使用する。
最近だとSNSに投稿する動画を撮影する際に使用されるリングライトがオススメである。
また、リングライトだけでなく部屋の照明も見直すべきである。
通常の住宅で使用している照明は白色寄りだったり、オレンジがかっていたりと様々なので、白飛びしない程度に顔を明るく映せる照明を探す。
⑤クリアに聞こえるスピーカー
面接官の声が低かったり、マイクの性能が悪いことによって、どうしても聞き取りにくい状況がある。
そればっかりはコントロールできないので集中するしかないのだが、スピーカーの音質にこだわることで悪影響を最小限にすることは可能である。
こちらのスピーカーの質が悪いがために、面接官に何度も聞き返すというのはあり得ない。
何度も聞き返されると温厚な人でさえ怒るくらいに、ウンザリするものである。
⑥自分の声を正確に拾うマイク
対面の面接であれば大きな声で話すことさえできれば、面接官が聞き取れないということはない。
しかしオンライン面接の場合、自分の声を正確にネットワークに乗せないと、相手に言葉が届かないことがある。
相手が何を言っているかわからない、というのは大変なストレスである。
面接官もそういった状況で、候補者にあれこれ質問したり、議論したりといった『会話』をする気は起きない。
そのような状況を避けるためにも、自分の声を正確に拾ってくれるマイクを使用し、面接官がしっかりと聞き取れる『言葉』を届けるのだ。
カメラの先に『人』がいることを意識する
前項で述べた面接を受ける環境づくりが整った上で、必ず意識すべきことがある。
それは、カメラの先に面接官、すなわち『人』がいるということだ。
対面の面接であれば文字通り目の前に人間がいるので、意識するも何も目の前に人がいることを認識できる。
しかし、オンライン面接の場合、目の前に在るのはパソコンのみで、悪い意味で緊張感が生まれにくい。
また、どうしてもパソコンに映る相手の姿を見てしまうので、面接官からすると目が合っているように感じにくい。
そこで、目線はカメラを向くことを意識して、面接官にやる気を伝える。
『目は口ほどに物を言う』はよく言ったもので、目を合わせるだけで緊張感は一気に高まり、想いは一層伝わりやすい。
あなたが見ているのはパソコンではなく、あなたの人生の鍵を握る大変重要な人物なのだ。