転職活動実践編

【転職活動実践編:ステップ5 想定問答集作成】己との模擬面接が合否を分ける

これまで把握した面接の全体像や職務経歴書作成時に情報収集した企業の情報を用いて、想定問答集を作成する。

なお、ステップ3において職務経歴書がきちんと作成されている前提で話を進めるので、もしそうでない場合は職務経歴書をまずは完成させていただきたい。

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想定問答集は、『想定される質問』と『あるべき答え方』の2つの要素によって構成される。

想定される質問

これは読んで字の如くだが、面接官が質問すると想定される質問のことである。

なお、複数の会社の過去の質問を集めると、ニュアンスが同じだが質問の仕方が違ったり、はたまた会社固有の質問があることに気づく。

似たような質問にそれぞれ『あるべき答え方』を考えるのは無駄である。

何より『この質問にはこの答え方』という柔軟性のない回答を作ることは、想定していない質問がされた際に思考停止に陥ってしまうことにつながりかねない。

想定問答集を作成するのは、面接で“どのような”質問にも自信を持って答えることが目的であり、想定した質問にのみ答えられるようにしておくことを目的としていない。

質問に対するあるべき答え方を考える過程で、自分の新たな考え方にも気づきながら、面接で何を聞かれても、頭で考えながら話すための虎の巻とするのであある。

そのために想定される質問は必要最低限のシンプルな質問にまとめるのが望ましい。

想定される質問のまとめ方

プロセス
  1. 全ての質問を同じ場所に書き出す
  2. 同じ内容をまとめる

まずはこれまでに転職エージェントや自身で集めた質問を全て書き出す。

複数の会社を受ける場合も、それぞれ集めた質問を全て同じ紙(もちろんPCでエクセル・ワードを使っても良い)に書き出すこととする。

この時点では、似たような質問をまとめたり、順番を入れ替えるといった作業は一切意識しなくて良い。

必要なことは、漏れのないように“全て”を集めて書き出すことである。

次にまとめの作業に入るのだが、その際の項目および質問例は私の場合以下とした。

想定される質問の項目
  1. 業界・会社・ポジション共通
  2. 業界特有
  3. 会社特有・過去事例
  4. ポジション特有

それぞれの項目について、その項目が必要な理由や質問例(質問内容)を解説する。

①業界・会社・ポジション共通

質問内容
  • 自己紹介
  • 転職理由
  • 企業選びの軸
  • 当社でやりたいこと
  • 経験やスキルの活かし方
  • 成功(失敗)体験
  • 強み(弱み)
  • キャリアの展望

これには基本的にどの面接でも聞かれ得る質問内容を厳選している。

また、どのような聞かれ方をしても答えられるように、コアの要素だけをシンプルに短く記載した。

②業界特有

質問例(ケース面接-コンサルティング業界の場合)
  • ・指輪とネックレスのどちらが年間販売数が多いか?
  • ・うどんとそばの年間消費量は?
  • ・国内の豚の頭数は?
  • ・たこ焼きかお好み焼きの年間消費量はどちらが多いか?
  • ・日本での注射器の年間使用本数は?
  • ・Teamsの年間利用者数は?
  • ・ストローの年間消費は?

次に業界として想定される質問を整理しておく。

コンサルティング業界の場合はケース面接が課されることが多いため、過去にケース面接で出されたお題を整理した。

③会社特有・過去事例

質問例(コンサルティングファームA社の場合)
  • 大学・勤務先を選んだ理由は?
  • 自分はコンサルタントに向いていると思うか?
  • 採用したら長期でキャリアを築けるか?
質問例(コンサルティングファームB社の場合)
  • 国内の製薬業界が抱える課題3つと打ち手は?
  • 目標達成のためにどのような数値管理が必要か?
質問例(コンサルティングファームC社の場合)
  • 市場データをどのように分析、活用し成果に結びつけたか?
  • どういった課題解決がしたいか?

ここでは、会社特有、もしくは過去にその会社の面接で出された質問を整理する。

もちろん、過去に出された質問というだけで、他の会社で出されることもあり得る。

ただ、例えば上記C社のように、データ分析に強いという特色があるコンサルティングファームの場合は、「市場データをどのように分析、活用し成果に結びつけたか?」といった経験および実績を問われる傾向がある。

そういった会社の特色が現れる質問には答えをきちんと準備しておくべきなので、まずは質問を漏れなく整理しておく必要がある。

そして、そういった会社の特色ではなく、あくまで過去に出された質問であっても回答を用意することで、他の会社で質問された際にも対応可能となる。

④ポジション特有

質問例(管理職の場合)
  • プロジェクトマネジメント経験は?
  • 部下の指導で苦労した点は?どのように乗り越えた?
  • リーダー経験、後輩の指導経験はどの程度あるか?

最後に、ポジション特有の質問をまとめる。

例えば管理職の場合、管理職としての働きぶりが想像できる質問が投げかけられる。

なお、管理職でなくとも、それなりの年齢であったり、規模が大きな会社である程度の年数働いてきた場合は、応募しているポジションが管理職でなくとも、何らかのチームをリードした経験は求められるはずである。

極論どのようなポジションであってもリーダーシップは求められると考えた方が良い。

リーダーシップは職位に依らない。

職位が高いからリーダーシップがあるわけでは決してない。

命令・指揮系統における責任を負う職位が高い人は、リーダーシップという『リーダーたるマインド・能力』を持っているかのように誤認されがちなだけである。

実際は、どのようなポジションであっても、自分の頭でやるべきことを考え、関係者間で調整し、実行するには立派なリーダーシップが必要だ。

少なくとも、そのポジションに何が求められているのかを転職エージェントともよく話して解像度を高め、質問を整理する。

あるべき答え方

整理した『想定される質問』それぞれに、自分なりに『あるべき答え方』を用意する。

言いたいことを全部詰め込みすぎると、とんでもなく長い分量になってしまうので、言いたいことだけを厳選するのが良い。

面接はキャッチボールなので、より深く聞きたいことは面接官から質問してもらうよう誘導するのが理想だ。

質問したくなる要素を随所に散りばめつつ、言いたいことを全てカバーするような答え方を意識するのが良い。

そして、一度自分なりの答え方を用意したら、複数の転職エージェントに添削してもらうと良い。

その際にオススメなのは、エクセルやワードで全てのVerを残しておくことだ。

なお、転職エージェントにもらった指摘も全て記録しておくのが良い。

どのような指摘をもらい、どのように書き直していったのか記録をきちんと残しておくことで、自分の方針や考え方を振り返ることができる。

どうしても指摘に応えようとすると、最初に書きたかったことと書いている内容が乖離していってしまう。

それを防ぎつつ、指摘を踏まえてブラッシュアップしていくのが正しいアプローチである。

あと大変重要なことなのだが、添削は面倒である。

しかし、これにきちんと対応してくれない転職エージェントがいたら察してほしい。

面接は準備が10割なので、パートナー選びはきちんとするべきだ。

良い転職活動には良い転職エージェントは欠かせない。

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